ポテトのクローン病blog

こんにちは?クローン病患者のポテトと申します。クローン病について綴っていきます。

【記事抜粋】在宅栄養療法で使われる栄養剤、エレンタールはなぜクローン病に「効く」のか

たとえば、IBD(炎症性腸疾患)の在宅栄養療法でよく使用されるエレンタールという栄養剤は、非常に効果が高い栄養剤です。しかしこの薬剤は、「栄養状態が良くなる」だけではなく、「クローン病の症状緩和に効果が高い」のです。もちろん栄養状態もよくなりますが、「炎症を緩和する」ために確実に効果があるのです。

実は、このようなエレンタールの効果について現在まで「なぜ効く」のか患者さんに対して明確に提示されてきませんでした。エレンタールは、ほかの半消化態栄養剤とともに長きにわたって「栄養状態」を良くする効果だけが評価されてきたからです。

エレンタール以外にも、クローン病の治療において使用される半消化態栄養剤にはいくつか種類がありますが、これらの栄養剤はなぜクローン病に効くのか明確な理由はわかっていません。さらに、これらの栄養剤が「効く」のは、唯一「栄養状態を良くする」ことに「効く」のであって「炎症を良くする」ことにはつながりません。

では、なぜエレンタールが栄養状態のみならず症状を良くするのかといえば、エレンタールに含まれるアミノ酸がマクロファージ(炎症を引き起こすTNFαなどを出す細胞)の活性化を抑える役割を担っているからです。ひいてはTNFαなど炎症のもとになる物質の発生をブロックしてくれることもわかっています。ですから、栄養療法のなかでも特に「エレンタールクローン病に効く」のは、栄養状態をよくするだけでなく「炎症を抑える」、クローン病の病気そのものを良くする働きがあるためなのです。