IVHのみで生きるという生き方
食べるとお腹が痛くなる、また入院の心配がある。
最近、点滴だけで生きるのが楽なのではと考えてしまう。
静脈栄養法(高カロリー輸液)IVHは、生命維持に必要な栄養素をすべて静脈のみから投与し、たとえ経口摂取が全く出来なくても、栄養状態を正常に保つことを可能にした栄養法であります。
在宅中心静脈栄養法は家庭で静脈栄養法を行うことにより、入院生活から開放され、
家庭・社会復帰をも可能とする栄養法であります。
医師の指導の下に、適切な管理を行えば、この栄養法は安全に施行することが可能です。
在宅中心静脈栄養法患者の適応条件
在宅中心静脈栄養が必要と考えられる患者について
※腸管大量切除またはこれに準ずる腸管機能不全により、静脈栄養以外には栄養維
持が困難であるもののうちで以下の3条件を満たすものとする。
今後長期間にわたりTPN(静脈栄養)が必要と予想さ れる事
家に帰っても、今後特に医療上不都合と考えられる事 がない事
患者または家族の充分な協力が得られ、本人または家 族がHPNを希望した場合
※腸管大量切除とは通常残存小腸が75㎝以下のものを指します。
但し残存小腸が、機能不全である場合にはこの限りではありません。
a.腸管大量切除に至る原疾患としては
上腸間膜動脈血栓症(塞栓)
腸軸捻転
先天性小腸閉鎖症
壊死性腸炎
その他
があります。
b.腸管機能不全を来す疾患としては
クローン病
非特異性多発性小腸潰瘍
慢性特発性仮性腸管閉塞症
放射線腸炎
小児難治性下痢症
などが考えられます。